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世界一に輝いたパテ・クルート|田園調布のメッツゲライササキ

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メッツゲライササキ

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のびのびと、どこまでも

さきやまみか

フランスのパティスリーで研修をしていたとき、パテ・クルート用の生地を近くのお肉屋さんへ卸していました。
パテ・クルートとは、肉や魚などのパテをパイ生地で包んで焼き上げたあとに、パイとパテの隙間に出来た空洞にブイヨンのジュレを流し込んで冷やし固める伝統的なフランス料理。パイ生地づくりから中身となるファルス(パテ)、ジュレ、火入れまで、いくつもの工程を重ねて作るため、とても手間がかかります。私が研修していたフランスの店では、パイ生地はパティスリー、ファルスはお肉屋さんが担当していました。
そのすべての工程を自店で手がけているのが、田園調布の「メッツゲライササキ」です。

フランス人がすすめるシャルキュトリーショップ

メッツゲライササキ

田園調布駅前にある「メッツゲライササキ」はパテやソーセージなどのシャルキュトリーを中心に、自家製の惣菜からデザートまで幅広く並ぶ専門店です。

スペシャリテは2021年のパテ・クルート世界選手権で優勝した福田耕平シェフが手掛ける「鴨とフォアグラのパテ・クルート」。フランス人の知人も絶賛する一品です。

メッツゲライササキ

パテ・クルートはもちろんのこと、イタリアンパセリのグリーンが美しいハムのパテや、密度が高くむっちりとしたパテ・ド・カンパーニュなど、並んだ品々を眺めながら味わいを想像するのも楽しいひととき。店内にはイートインスペースもあり、おすすめのワインやビールと合わせて味わうことができ、ゆったりと贅沢な時間を過ごせます。

メッツゲライササキ
メッツゲライササキ

約50種類の食材でつくる「メッツゲライササキ」のパテ・クルート

メッツゲライササキ

メインの食材は、旨味の強い鴨肉とフォアグラ。鴨は身や皮を使い、コンソメにもその旨味を生かします。断面を美しく見せるホロホロ鳥、食感のアクセントになる牛タン、レーズンや白いちじく、ピスタチオ、キャトルエピスなどの食材を使い、一切れの中にさまざまな味や食感が重なります。

なかでも印象的なのが、ファルスとパイ生地の間を満たすジュレです。ジュレはパテ・クルートのソースのような役割を果たし、濃厚な肉の旨味をより一層引き立てます。

福田シェフは「肉には酸味を合わせたい」と考え、鴨と赤ワインをベースにしたダブルコンソメを使っています。パテ・クルートのジュレは一般的にポルト酒の甘味を生かしたものが多いそうですが、世界選手権を前に試行錯誤を重ね、赤ワインの酸味を生かした現在のレシピにたどり着いたのだそう。

メッツゲライササキ

また、メッツゲライササキのパテ・クルートは、パイ生地の美しさとおいしさも大きな魅力。焼き上がったパイ生地の表面に施された繊細な模様に目を奪われます。

中のファルスにはやさしく火を入れたい一方で、周りのパイ生地は高温で香ばしく焼き上げたい。この相反する火入れをひとつの料理の中で成立させています。

イートインでいただく際は作りたてで、外側はサクッと香ばしく、具材に触れている部分は肉汁や旨味を含んでしっとり。時間が経つにつれて生地全体がしっとりと柔らかくなり、また違った味わいを楽しめます。

フォアグラを使った濃厚な味わいでありながら重すぎず、軽やかに食べ進められます。ジュレと合わせたり、そのまま味わったり、一皿の中でもさまざまな味わいを楽しめ、白ワインもよく進みます。

手間を惜しまないからこそ生まれる、極上の逸品

福田シェフは、講習会でパテ・クルートのレシピや食材、製法を惜しみなく公開しています。それでも、同じレシピで作れば同じ味になるわけではありません。食材の状態や季節、使用するオーブンなどに合わせて、細かな調整を重ねます。

パテ・クルートは作り始めてから完成までには1週間ほどかかります。フォアグラは断面が美しい勾玉の形になるよう一つずつ成形して冷凍し、コンソメも鶏や野菜で引いたブイヨンに鴨の旨みを加え、澄ませる工程を繰り返し、4日間かけて仕込みます。

輸入食材などが手に入らなければ自分たちで作ることもあるのだそう。

華やかな一切れの裏側には、完成した姿からは見えない細やかな仕事と時間が積み重なっています。

メッツゲライササキ

世界一に輝いた先も、おいしさを追い続ける

福田シェフはもともと老舗フレンチレストランの料理人。日本ではまだパテ・クルートが今ほど一般的ではなかった頃からパテ・クルートの世界選手権へ足を運び、作り手に話を聞きながら独学で研究を重ね、やがて世界一に輝きました。

福田シェフが大切にしているのは、何より「おいしいものを提供すること」。おいしいものとは、奇をてらったものではなく、シンプルでバランスのとれたものだといいます。パテ・クルート世界選手権で優勝したときも、伝統的なレシピを大切にしながら、一切れの中で味わいが完結するバランスを意識したそうです。

世界一に輝いた今も「パテ・クルートはまだ分からないことがあるから面白い」と話す福田シェフ。その言葉からも、今なおおいしさを追い続ける姿勢が伝わってきます。

幾度もの試行錯誤を重ねて生まれたパテ・クルートからは、澄んだおいしさを感じます。

メッツゲライササキ

メッツゲライササキ(Metzgerei SASAKI)
〒145-0071 東京都大田区田園調布3丁目1−3

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のびのびと、どこまでも

さきやまみか

都内在住、ちいさな洋菓子店勤務。やんちゃな猫と二人暮らし。お笑いラジオとドーナツが好き。季節を感じるものや、作り手の心がこもったものに惹かれます。

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