日常に小さな彩りを|刺繍のある暮らし


この記事を書いた人
楽しいおとなになるために
八重樫 紘子
刺繍された服や小物ってカラフルな糸がとってもきれい!つい見入ってしまうのはきっと私だけではないはずです。
昨今では可愛い図案が載った本がたくさん出版されていますし、初心者でも始めやすい刺繍キットが販売されていたりもするので、自分で縫ってみたことがあるという方もいるかもしれませんね。
縫ったことがない方にとっては「見た目は可愛いけれど、難しいのでは?」と尻込みしてしまうかもしれません。でも実際に取り組んでみると、これがまた楽しいんです!
手先に集中している時間は他のことを忘れられるので、気分転換にもなると気づきました。
筆者が時々趣味として取り組んでいる「フランス刺繍」のはじめ方と、魅力をご紹介します。

刺繍は低コスト!針・布・糸ではじめられる趣味
趣味で何かはじめる場合、道具を揃える時間や費用がかかるものもありますよね。
道具を揃える過程もワクワクする楽しいひと時ですが、「続かなかったらどうしよう」と不安に感じてしまうことがネックになり、なかなか始められないこともあります。
刺繍の場合、最低限必要なものは針と糸、そして布だけ!
他にもあると便利なものは色々とありますが、少しの準備で始められるんです。
「一つひとつ道具を選ぶのは大変」という方向けに、手軽なセットもご紹介しますので、お好きな方法でトライしてみてくださいね。
刺繍に最低限必要なもの
①フランス刺繍針
クロバーのセットのように、幾つかのサイズの針がセットになったものがおすすめです。刺繍糸を何本合わせて縫うかによって、針のサイズを変えていきます。1〜2本の糸なら縫った線が細くなり、4本5本と増やしていくと太い線に仕上がります。
②刺繍糸
糸はいくつか色を揃えるのがおすすめです。最初に作りたい図案を選んでから、使う糸を買うと無駄がありません。さまざまなカラーが含まれたセットも売られていますよ。
③布
刺繍用のコットンクロスは、図案が写しやすく針の通りもいいので初めての方におすすめの素材。でも、おうちにある余った布を使ってもOKですよ。
④ハサミ
糸切り用に準備します。糸切りばさみなら、縫い間違えてしまった時の細かな縫い目にも簡単に差し込めて便利です。……と言いつつ、あまり大きな声で言えませんが、私は最初は普通のハサミで代用していました。

あると便利なもの
①刺繍枠
刺繍する部分の布をピンと張ることができるので、ヨレや縮みを防いでくれるアイテムです。 枠のサイズはいくつかありますが、個人的には10〜15cmくらいの枠が縫いやすいように思います。大きな作品を縫う時は、縫う箇所が枠の真ん中あたりにくるよう、枠をずらしながら縫い進めます。
②図案
手芸店や書店でさまざまな図案集を購入するのもおすすめ。自分で好きな絵を描いて縫ってみるのもいいですね!
③複写紙/チャコペン
図案を布に写しとる時に使います。こちらもあまり大きな声で言えませんが、私はチャコペンを持っていなかった頃は鉛筆で代用していました。

始めるハードルが下がる初心者用セットもおすすめ
一つひとつの道具を選ぶ時点で挫折しそう……という方には、手芸店やネットショップで購入できる初心者用セットがおすすめです。
必要な刺繍針や糸はセットになっていますし、図案も布にプリント済み。縫い方も書かれているので、そのやり方に沿って作ればOK。縫い方の練習を目的としたものや、巾着などの作品が作れるセットも販売されています。
私が刺繍をはじめる時は、フェリシモの「22種のステッチをしっかりマスター 刺しゅう「はじめてさんのきほんのき」レッスンの会」を購入しました。

フェリシモは毎月内容が違うセットが6ヶ月間届く仕組みです。
刺繍針や必要な糸はもちろん、縫い方の説明書や図案がプリントされた練習用クロス、巾着やティッシュケースが作れる材料もセットになっていて、実用的な作品まで作れるんです。
私は「色々なステッチ(縫い方)を知りたかった」「時間をかけてじっくり取り組んでみたかった」という理由で、6ヶ月間の定期購入を選びました。
作品ができると小さな達成感が得られるので、「次は何が届くかな」と毎月ワクワクしながら過ごせました。
慣れてきたらオリジナル作品に挑戦
ステッチのバリエーションを知ったり、縫うことに慣れてくると既製品の図案では物足りなく感じる方もいるかもしれません。
イラストが好きな方なら自分で図案を書いてみたり、好きなキャラクターを布に写して刺繍するのも自分だけのオリジナルができて楽しいですよ。
(キャラクターを刺繍する場合は、販売ではなく個人の使用範囲で楽しんでくださいね)

可愛いだけじゃない!刺繍の実用アイディア
どうせ縫うなら、最初から実用性のあるものを作ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
せっかくなら、日常的に手に取りやすく、よく目に入る場所にあった方が気分が上がります。実用的なアイディアを、3つご紹介します。
①お洋服の穴あきを補修
穴が空いてしまった服。処分するのが勿体ないと思ったら刺繍をしてみるのも手です。ハートや星、花、葉っぱなど、モチーフによっても印象が変わります。
②ワッペンにする
フェルトに刺繍して、周りを切り取ればワッペンに。
透明のスマホケースに挟んだり、無地のハンカチやバッグ、手帳などに貼ってみても可愛くなりそう。
③手持ちの小物に刺繍を入れる
汚れてしまって出番が少なくなったトートバッグやポーチ、眠っていませんか?
縫える素材で部分的な汚れなら、刺繍で覆ってしまえばまた愛着を持って使えるかもしれません。

子どものお絵描きを刺繍作品に仕上げてみる
私が刺繍に慣れてきた頃、ふと子どもが描いた絵をTシャツに刺繍してみよう!と思いつき、実際に挑戦してみました。
まずは無地のTシャツと、絵に使われている色に合わせた刺繍糸を準備します。複写紙を使って絵をTシャツに写し、大きすぎる場合は縮小コピーをしてサイズを調整します。
どの線をどんなステッチで縫うかをざっくりイメージしてから始めるとスムーズ。あとは自分で決めた方法で縫い進めるだけです。
夜、子どもが寝た後に少しずつ縫いすすめ、完成までたどり着きました。
子どもも気に入ってくれていて、保育園に着て行く日もあります。

子どもの作品を残す方法にもなる刺繍
お子さんがいるご家庭の場合、捨てるに捨てられない子どもの絵が溜まりがち。
大事な作品だけ保管しておく、写真にとって後は思い切って捨てる、という方法もありますが、特に気に入っている作品は刺繍にするのも素敵です。
絵をまじまじとみながら刺繍をしていると「実はここにはアクセサリーがついているんだ」とか、「洋服の柄を丁寧に描いているんだな」と、ただ絵を眺めているだけでは気づかなかった子どものこだわりを発見できることもあるのが、絵を刺繍に起こすおもしろさの一つです。
暮らしに小さな楽しみをくれる刺繍の魅力
日頃スマホやパソコンを触る時間が長くなるほど、情報が次々と入ってきて疲れてしまうこともあります。
そんな時に、一つの作業に集中できる手仕事は気分転換になります。カラフルな糸を使って制作する刺繍なら、わくわく感も増しますよ。
日々の気分転換や新しい趣味のひとつとして、ぜひ気軽にトライしてみてくださいね。

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