注文住宅やリフォームの床、どう選ぶ?トレンドのクッションフロア・タイルを施主目線で比較してみた
 
         
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子供がいても脱生活感な暮らし
田宮有莉
家づくりやリフォームの際に多くの方が悩む床材選び。「床」と一言でまとめても数多くのラインナップがあるので何を採用しようか迷ってしまいますよね。
現在家づくり中の私自身も「どこに何の素材の床材を入れようか」と悩んでいます。
最近では色柄豊富なタイルやクッションフロアをアクセントとして取り入れるのが流行中です。トレンドをおさえながら機能性を重視した床材選びのポイントを施主視点でご紹介したいと思います。
なぜタイルやクッションフロアが人気なの?木質系フローリングとの違い

そもそも床材にはどんな種類があるのか、木質系フローリング・タイル・クッションフロアの特徴を改めて調べてみました。
まず、一般的な住宅に導入されている一番スタンダードな床材は木質系フローリングです。天然の木材を切り出した1枚の板を並べた「無垢フローリング」と、集成材や合板の上に薄くカットした天然木や化粧シートを貼り合わせて作る「複合フローリング(挽板・突版・シート)」に分類されます。居室や廊下には木質系フローリングを採用するケースが多いですよね。
足触りが良く、高級感のある「無垢」は特に人気の床材。我が家にも導入予定ですが、傷が付きやすいのが懸念点だと言われています。
一方タイルやクッションフロアは木目調や石目調など、色やデザインの種類が豊富で、衝撃や水に強く、掃除などのメンテナンスが簡単な床材です。
子どもが小さい場合、おもちゃを投げたり食べ物や水をこぼしたり、床に汚れや傷が付きやすいと思います。現在居住している自宅の床をまじまじ見ると、たしかに細かい傷やえぐれが多数……。


メインの床は無垢や挽板などの木質系を導入して水に濡れやすい場所や汚れやすい場所はタイルやクッションフロアにすれば、空間のアクセントになりメンテナンスも楽になるので一石二鳥です。
特にタイルの場合はクッションフロアより耐久性が高く、高級感も演出できるので床材の候補に入れると選択肢が広がるでしょう。
最近はリビングの床を全面タイルにしている家もよく見かけますが、冬はかなり冷え込むのでメインの床材として採用する場合は床暖房を入れるなどの工夫が必要かもしれません。
実際に見て触ってほしい!タイルサンプルの取り寄せ方
メーカーによって取り寄せ可能な個数は異なりますが、ほとんどの場合は気になる品番のサンプルを無料で自宅に送ってもらうことが可能です。
例えば、我が家が検討しているメーカーの一つ、ミラタップ(miratap)の場合はキッチンや建具の面材・タイル・ウッドデッキ・フローリング・石材など、気になった商品のカットサンプルを10点までホームページから請求できます。
①新規会員登録 → ②気になる品番を選択 → ③商品ページで「サンプルBOX」をクリック→ ④ カートに入れて依頼 という手順を踏むだけで簡単に手配可能なので、まずは比較の為にもサンプルを取り寄せてみると良いでしょう。
特にタイルの場合はメーカーや素材によって質感に違いがあるので必ず実物を見たほうが良いと感じました。
タイルの種類ってこんなにあるの!?サンプルを取り寄せてみてわかったメーカーや素材ごとの違い

実際にタイルのサンプルをリビエラ・ミラタップ・サンゲツの3社から取り寄せてみました。
タイルにはさまざまな素材がありますが、床材として採用される多くは「せっ器質」「磁器質」「塩ビ」のいずれかです。
①リビエラのせっ器質タイルを見て感じたこと


リビエラから貰ったサンプルは2つ。どちらも天然石を使用したせっ器質タイルでした。ぞれぞれ御影石と大理石で作られています。
御影石は火山活動によって噴出したマグマが地下の深いところでゆっくりと冷え固まった深成岩。全般的に風雨や摩耗に強く、肉眼で見ることのできる等粒状の結晶があります。
一方大理石は、主に石灰岩が熱や地中の圧力により変質したもの。御影石に比べ模様が美しく、グラデーションの豊かさが特徴です。
参考資料:
「御影石」GRANITE | 商品情報 | RIVIERA デザインタイル・天然石のリビエラ株式会社
「大理石」MARBLE | 商品情報 | RIVIERA デザインタイル・天然石のリビエラ株式会社
御影石は少し粒感ある手触りで、大理石は滑らかさを感じる質感でした。どちらも重量があり、ややひんやりしています。

せっ器質タイルは天然石ならではの高級感があり、リビングなど室内での利用はもちろん、玄関ホールなどに採用されるケースも多いですよ。リビエラのタイルは価格も高めですが、自宅に導入したらとても素敵だなと思いました。
②ミラタップの磁器質タイルを見て感じたこと

水回りやキッチン・鏡などのイメージが強いミラタップですが、タイルの取り扱いもあります。シンプルながらトレンドをおさえたデザインが魅力で、価格も比較的お手頃です。取り寄せたサンプルはすべて磁器質タイルでした。
特にかわいいなと感じたのはセメント調タイルの「ダスト」です。淡くスモーキーなカラー展開と上品な色ムラ感はどんな空間にも合わせやすいと思いました。

洗面やトイレなどの水回りはもちろん、最近人気の横並びダイニングの場合はキッチンとダイニングテーブルの部分に限定して導入するのも良さそうです。
フロアタイルというと石目やモルタル調のデザインが多いですが、「アルベロ」のように木目調のアイテムもあります。

滑りにくいMicro-Step仕様で、屋内外どこでも使用可能。テラスのような屋外空間に使い、木目のデザインをウッドデッキのように見せることもできます。
参考資料:アルベロ|タイルインデックス|タイルの通販|ミラタップ(旧サンワカンパニー)
ミラタップの磁器質タイルはいずれも固くマットな質感で、せっ器質タイルより軽いですが触った時に一番冷たさを感じました。
フロアタイルを採用した方からよく「冬、床が想像以上に冷たい」という声を耳にします。滞在時間が長い居室などに敷く場合は少し注意が必要かもしれません。
③サンゲツの塩ビタイルを見て感じたこと

壁面クロスの代表格・サンゲツには床材の取り扱いもあります。
PVC(ポリ塩化ビニル)素材でできたタイル状の床材・塩ビタイルを扱っています。素材感をリアルに表現した凹凸加工(エンボス加工)が施されており、豊富な色柄から好きなデザインを選べるのも人気の理由です。
参考資料:フロアタイル|サンゲツ
せっ器質や磁器質と比較すると厚みが薄く、柔らかい質感でした。触った時の冷たさもあまり感じず、冬場のタイルによる寒さを少し軽減できるのではないかと思いました。①②より価格が安価なのも嬉しいポイントです。「手頃な価格でタイルを採用したい」と考えている方にぴったりです。

④番外編:コルクタイル

「子ども部屋には汚れに強いフロアタイルを採用したいけれど、床の冷たさや硬さが気になる」という場合、コルクタイルという選択肢もあります。コルク樫の樹皮を板状に圧縮加工した地球にやさしい天然素材で、柔らかくクッション性のある質感ですが、耐久性や防音性に優れた床材です。費用は高めですが、導入するメリットも大きい素材だと思います。ほかのタイルと比較すると触った感じのひんやり感が少ないと感じました。
参考資料:KR12301 | サンゲツ
コスパ重視で快適さを求めるならクッションフロアもおすすめ

フロアタイルと比較されることが多いクッションフロアは、発泡層があるやわらかい質感のビニル床シートです。衝撃や水に強く、タイルより安価なのでコストパフォーマンスに優れています。
参考資料:クッションフロア|サンゲツ
柔らかく弾力のある素材が特徴で水回りに使われることが多いですが、タイルと比べて厚みがないため耐久性が低く、5年~10年で貼り換えが必要という点がデメリットです。

そんなデメリットを上回る利点があるのがサンゲツの「遮音フロア L-45」シリーズ。実際に手に取ってみると、通常のクッションフロアより厚みと弾力があり、モチっとした質感でした。遮音性能がある厚めのクッションフロアなので生活音の軽減が可能で、階下への騒音を和らげる効果もあるとのこと。
木質系フローリングやタイルに比べ柔らかいので万が一子どもが床の上で転んでも衝撃を軽減できますし、おもちゃなどを落としても床が傷つきにくいのは大きなメリットだと思いました。汚れやすい水回りやトイレの床、子どもが遊ぶ部屋など、部分的に採用するのが良さそうです。
木質系フローリングやタイルと比べるとメンテナンスの頻度は高めですが、お値段も安価なので「手軽に模様替えできる」という利点にもなりうると思います。

タイルやクッションフロアはサンプルを取り寄せると適材適所を判断しやすい◎

当然ながら、タイルは素材によって特徴や質感が異なるもの。現物を手元に置くことで、その違いを明確に把握することができました。ショールームやカタログを見て選ぶのもOKですが、やはりサンプルを自宅で確認することをおすすめします!
実際に比較してみて、タイルはキッチンや水回り、子ども部屋などにピンポイントで導入することで機能性はもちろん空間のアクセントになると思いました。
クッションフロアは数年以内の張り替えを見越している場合や、自宅に小さい子どもがいる場合に安心して使える床材です。予算や用途、家族構成に合わせて使い分けると良さそうです。
家づくり中の方やリフォームを考えている方はぜひ、私の実体験を参考にしてもらえたら嬉しいです。
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田宮有莉
東京都在住/年子2児の母/ライター・監修ライター 北欧ナチュラルな家で暮らす/インテリア雑貨・ファッション好き 得意な執筆ジャンル:インテリア・住宅・不動産・家づくり・金融・ライフスタイル ⭐︎Instagramもぜひフォローしてください⭐︎
 
                                                     
                                                     
                                                     
                                                     
                                                     
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
      