
北欧家具の初級編|知っておきたい3つのブランドと代表作
いまだ人気の衰えない北欧家具。
わたしが北欧デザインというものに触れたのは
枻(エイ)出版社が発刊していた 北欧スタイル
という雑誌を手にしてからでした。
北欧スタイルは2002年にNo.1が創刊されて、
2019年2月現在、
No.22(2017年3月発刊) までが発売されています。
北欧スタイルNo.1発売当初はまだあまり知られていなかった
「北欧デザイン・北欧家具」でしたが、
またたく間に日本中に認知されて、
今ではブーム通り越して
一つのインテリアスタイルに君臨していますね。
ブームに終わらず
定番として愛されてきた背景には、
北欧家具やインテリアのデザインが優れていただけではなくて、
品質の良さも評価されたのだと感じています。
そんなデザイン・品質ともに優れている北欧家具の中でも
まずはじめに知っておきたいブランドを3つと、
それぞれのブランドのアイコンとも言うべき、
代表作をご紹介します。
もくじ
FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)
このチェアたち、目にした事がある方も
多いのではないかと思います。
わたしの脳中で
北欧家具と言えば真っ先に思い浮かぶのが、
フリッツ・ハンセンのセブンチェアです。
フリッツ・ハンセンはデンマークで
1972年に創業されました。
今日まで数々の名作家具を産み出していますが、
その中でも特に代表的な家具のひとつが
1955年に発表された、このセブンチェア。
デザインはアルネ・ヤコブセン(1902−1971)
セブンチェアはデザインの美しさだけではなく、
適度な背もたれのしなりや、
永く使える頑丈な構造など、
(挙げればキリがないほど)
こだわりは細部に光っています。
このチェアが好きすぎて、
話が長くなってしまいそうなので、
セブンチェアについてはまた別途、
掘り下げた内容を記事にしてみたいと思っています。
フリッツ・ハンセンの家具素晴らしいところは、
なんといっても耐久性に優れているところだと思います。
また、古いものに固執せず、
新しいものも、どんどん取り入れていくところが
この企業の強みだと感じています。
たくさんのデザイナーを起用していますし、
製品のカラーや素材バリエーションも多彩です。
セブンチェアに限らず、
フリッツ・ハンセンには
優れたデザインの家具やインテリアがたくさんあります。
日本国内だと、東京と大阪にショールームがあり、
全国各地に正規販売店も80店舗以上あるので、
直接見に行く事もしやすいと思います。
是非、一度触れてみてほしい家具ブランドです!
FRITZ HANSENの公式ページ
→https://fritzhansen.com/ja-jp
FRITZ HANSEN 店舗・ショールームはこちら
→https://fritzhansen.com/ja-JP/Find%20store
CARL HANSEN & SON (カール・ハンセン&サン)
この特徴的な背もたれのチェア、
背の中心部分にあるYの形が印象的ですね。
カール・ハンセン&サンの不動の代表作と言える家具
CH24 、通称Yチェアです。
デザインはハンスJ.ウェグナー。
この・・・美しいフォルム・・・
ため息ものです。
座面はペーパーコードと呼ばれる
紙素材で出来ています。
また、背もたれや脚など木の部分は
ソープフィニッシュという仕上げのタイプがあるのですが、
これがサラッとしたなめらかな手触りを実現しています。
ソープフィニッシュとは、その名のとおり
石鹸を木の表面に塗り込む仕上げです。
自分でメンテナンスをする事ができるので、
愛着がどんどん湧いてきますよ。
スニーカーの手入れが好き!とか、
DIY好きの方にも楽しめる家具だと思います。
ちなみに座面のペーパーコードの部分など
職人でないと難しいところの修理は、
カール・ハンセン&サンジャパンの
商品管理部に問い合わせれば対応してくれます。
カール・ハンセン&サンは、
創業100年以上の歴史ある家具ブランド。
1908年デンマーク・オーデンセに
創業者のカール・ハンセンが工房を構えたのが始まりでした。
今日まで丁寧 な手仕事を怠らずにしてきたのが
この動画からも伺えます。
日本の木工技術とも、通じるものがありそうですね。
artek(アルテック)
出典:artek 公式ページ
アルテックの創業は1935年。
フィンランドのヘルシンキで設立されました。
アルテックの公式ページに
その社名の由来が記載されていましたので、
下記引用します
アルテックという社名は
「アート(芸術)」と「テクノロジー(技術)」という
1920年代に沸き起こった国際的なモダニズム運動の
キーワードを掛け合わせた造語です
モダニズム運動の旗手の一人、
ウォルター・グロピウスは「芸術とテクノロジーの統合
という有名な言葉を1923年に残しています。
モダニズムが目指したのはこれら2つの領域を融合させ、
新たな実を結ぶことでした。
テクノロジーはアートを取り入れることで洗練されたものとなり、
アートはテクノロジーの力で機能的で実用的なものになると信じていました。
アルテックの創業者たちも同じ思いを社名に込めたのです。
めっちゃかっこよくないですか!?
また、アルテックには、
マニフェストと呼ばれる創業宣言の図解があります。
文化的・商業的なプロジェクトがブレないように、
しっかりとしたガイドラインを設けたそうです。
ビジネスとしての成功と、
ビジョンを実現するための確固たる意気込みを感じます。
そうして生まれていったアルテックの家具たちは、
今でも全く色あせないデザインとなって
世に羽ばたいています。
あなたはこのスツール、
目にした事ありませんか?
出典:artek 公式ページ
スツール60
デザインは、
創業者の一人でもあるアルヴァ・アアルト。
これ以上ないシンプルさ。
このスツールはスタック(積み重ね)
ができるようにデザインされています。
出典:artek 公式ページ
スタックしても美しいですね。
スツールとしてだけではなく、
サイドテーブルとしても使用できます。
シンプルだからこそ、
多様な使い方ができるというワケですね。
信念を掲げて立ち上がった家具ブランド、アルテックは、
描いたビジョンのとおり、今は世界中で愛されています。
artek 公式ページ
→https://www.artek.fi/jp/
まとめ
今回の記事は、ちょっと熱っぽく語ってしまいました。
まとめると
・フリッツ・ハンセンは、耐久性とデザイン性を兼ね備えたブランド。
アイコン家具はセブンチェア
・カール・ハンセン&サンは、手仕事を大事に積み重ねてきた良質ブランド。
アイコン家具はYチェア
・アルテックは、アートとテクノロジーの融合を家具をとおして伝えたブランド。
アイコンはスツール60
そして、ここで少しお伝えしたいのは、
リプロダクト(コピー)品について。
今回紹介したブランドの家具たちは、
有名になってしまったがために、コピー品がたくさん製造・販売されています。
これはとても悲しい事です。
今回私が紹介したような、歴史や企業の信念、積み重ねた技術をすっとばして、
形だけを模造した製品が世に出回っているのです。
どんなものを買うか、お金をどう使うかは、
個人の自由ですが、
こういったブランドの背景を知っていると、
リプロダクト品が生まれていることや、
そしてそれを購入する人がいることを悲しく思います。
正規品の良さや、
その価格設定の背景にブランドの
どんな努力があるのかを知ってほしいな、と願っています。
では、今日も心地よい暮らしを!

